告白
ぼくは、彼女を好きになったときから、
「あなたを幸せにしたい、あなたと一緒にいたい、あなたとずっと近くで愛し合っていたい」
と思っていました。
これと言った駆け引きはせず、ぼくから彼女へ想いを伝えました。
彼女は、しばらく動揺したあとに、
「わたしじゃあなたとは釣り合わないから、申し訳ない気持ちになる」
と言いました。
なので、ぼくは彼女に、
「俺が、あなたを好きになって、告白しているんだから、あなたが俺に気を使って、釣り合わないからやめようなんて、考えなくてもいい。それは俺が決めることだ。あなたがどうしたいかを、決めてほしい」
と言いました。
すると彼女は、すこし時間をかけた末に、
ぼくと一緒になることを、決めてくれました。
本当に嬉しかったです。
今日振られても、もっとカッコよくなって、また告白してやるぞ!
と意気込んではいたものの、振られたらどうしようかという、不安と緊張のせいで、答えを待つ時間が、とても長く感じました。
偶然にも、この日はぼくの20歳の誕生日で、
今年の誕生日は、人生で一番の誕生日になったと、心からそう思いました。
ぼくらの初めてのデートは、
ぼくが所属している、バレーサークルに彼女が参加する。というものでした。
いいところを見せれていたら、良いのだけど。、、
バレーをしたあとは、ぼくが仲良くさせてもらっている准教授の研究室に出向き、准教授に彼女を紹介しました。
ぼくが彼女に告白する前、彼には彼女のことでよく相談に乗っていただいていました。
彼女を紹介できたこと、彼女に彼を紹介できたことが、嬉しかったです。
ぼくの家と大学は目と鼻の先にあるのですが、ぼくが車のまえから離れなかったからか、彼女が僕と離れたくないと思ってくれていたからなのか、わかりませんが、彼女の車で、ぼくは家まで送ってもらいました。
ぼくが、車の前から執拗に離れなかった理由は、彼女と交わした約束を、まだ果たせていなかったからです。
ぼくが彼女と交わした約束は、
ハグをする!
でした。
別れ際、彼女を抱きしめようと思いましたが、なんだか恥ずかしくなってしまって、どうでもいい話で、時間稼ぎをしました。
彼女の車が家の前についたところで、ぼくは彼女の方を向き、彼女を抱きしめました。
その時初めて、ぼくは彼女の匂いを感じました。とても落ち着く甘くて爽やかな匂いでした。
彼女は、動揺した様子で、
「なにこれ、、、幸せ、、、」
と、恥ずかしそうな声で言いました。